この記事にたどり着いたあなたは、おそらく「高尾山で本当に熊が出るの?」と気になっているのではないでしょうか!?
実は、高尾山は都心からアクセスしやすい観光地でありながら、自然豊かな環境に恵まれており、ツキノワグマが生息するエリアと隣接しています。
ここ数年で目撃情報や具体的な事例が増えており、時には登山道近くや住宅街にまで姿を現すこともあります。
この記事では、高尾山周辺での遭遇リスクをできるだけ避けるために、最新の出没エリアの傾向や冬眠期前後の行動パターン、これまでの事故や被害の事例をわかりやすくまとめています。
また、登山中にできる予防対策や有効な装備、行政の取り組みや注意喚起についても紹介しています。
高尾山を安心して楽しむために、この記事を通じて正しい知識と備えを身につけていただければと思います!
- 高尾山での熊の出没傾向と目撃情報の実態
- 過去の熊による事例や遭遇リスクの内容
- 熊に出会わないための具体的な対策と装備
- 行政の取り組みと目撃時の対応方法
高尾山の熊:出没&目撃情報まとめ
- 過去3年の目撃事例
- 目撃情報と遭遇リスク
- 出没エリア別の傾向
- 冬眠期前後の活動動向
- 市街地近くの出没注意
高尾山で熊って出るの?

イメージ・THE Roots
実は、高尾山周辺にはツキノワグマが確実に生息しています!
ですが高尾山の表参道やケーブルカー周辺では観光客や登山者が多いため、熊に出会う確率は非常に低いです。
しかし、裏高尾や奥高尾といった人の少ない林道や脇道に入ると、落葉広葉樹林が広がる自然豊かな環境が熊の生息域と重なります。
落葉広葉樹が生い茂る山深い環境は、ドングリやヤマグリなどの木の実が豊富で、クマが越冬前に必要な脂肪を蓄えるのに適しています。
こうしたエリアでは音を立てずに静かに歩くと、思いがけずクマに近づいてしまうおそれがあります。
したがってメインコースを歩く際も、分岐点で支線へ入らないよう地図を確認し、熊鈴やラジオで常に人の存在を知らせる工夫が重要です。
静かな森の中では、事前に最新の出没情報をチェックしておくことが安心につながります。
過去3年の目撃事例

イメージ・THE Roots
過去3年間(2022~2025年)には、高尾山全域で多様な場所・時間帯にクマの目撃が報告されています。
(ツキノワグマと断定できない「熊らしき動物」の情報も含んでいます。)
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2022年
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5月18日:八王子市大洞山付近でツキノワグマをセンサーカメラが撮影。南高尾エリアへの出没の一例。
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6月2日:早朝5時半ごろ、高尾山裏手の蛇滝口付近で成獣1頭の目撃情報。裏高尾の登山道入口で熊が目撃された初期事例。
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6月3日:早朝~朝にかけて、景信山~小下沢にかけて成獣1頭の熊が連続してカメラ撮影されました。裏高尾から奥高尾方面へ移動していた可能性があります。
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6月28日:明け方5時40分ごろ、高尾山(高尾林道付近)で成獣1頭が目撃されています。高尾山中腹の林道で確認された珍しい例です。
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7月11日:朝7時59分、高尾山滝ノ沢林道で成獣1頭を撮影。6月末~7月にかけ高尾山北面の林道で継続的に姿が捉えられました。
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8月中旬:高尾山西側の和田峠(醍醐林道付近)で熊1頭を捕獲。前年から同地付近で目撃情報が相次いでいた個体とみられます。
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2023年
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7月:八王子市上恩方町~陣馬山方面の和田峠付近(醍醐林道沿い)で熊1頭を捕獲。前年と同じエリアでの捕獲で、登山道周辺に出没していた個体と推測されます。
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夏~秋:この年、八王子市内で熊の目撃・痕跡情報が急増し、2023年10月末時点で18件に達しました(前年同時期より増加)。
北高尾や裏高尾の山中での目撃が多発し、地元登山者による写真撮影例も複数あります。特に小下沢や北高尾山稜での目撃・撮影報告が散見されます。 -
10月7日:午前8時30分ごろ、八王子市上恩方町の山林(倉骨沢付近)で子熊1頭の目撃情報。幼獣の出没は珍しく、近くに親熊がいた可能性があります。
周辺は景信山寄りの裏高尾エリアで、山麓集落付近まで降りてきていた事例です。 -
10月~12月:奥高尾だけでなく市街地近くでも熊らしき生物の目撃が相次ぎました。10月には町田市の山中(八王子市境付近)で目撃例、12月7日夕方には八王子市街地(浅川沿い清川町)で黒い熊状の影が確認されました。
この市街地出没には警察・行政が即時対応しています。
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2024年
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春~夏:例年に比べ目撃情報がさらに増加しました。裏高尾~景信山エリアや小仏峠周辺で熊の痕跡・目撃が多発し、東京都の情報マップにも次々とプロットされています。
春先(4~5月)には小仏峠近辺でセンサーカメラに熊が映る事例が増えました。 -
9月30日:午前10時30分ごろ、高尾山 自然研究路6号路(妙音橋付近)で成獣1頭の目撃情報。人通りの少ない6号路に裏高尾側から熊が現れたケースで、高尾山の登山道上での遭遇例として注意喚起されています。
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10月:木の実不作により熊の行動範囲が拡大したとみられ、この月だけで八王子市内の報告数が急増しました。
10月中旬~下旬にかけて裏高尾〜景信山で複数回目撃されているほか、草戸山付近(南高尾エリア)でも熊の目撃が確認されています。
草戸山(標高364m)は高尾山口駅の南方に位置し、住宅街にも近いため警戒が強まりました。 -
12月18日:朝8時50分ごろ、高尾山山頂付近で成獣1頭の目撃情報。冬眠直前の時期にも関わらず高尾山で姿が確認され、冬ごもり前の行動活発化の一例となりました。
環境局の「TOKYOくまっぷ」でも高尾山周辺の出没が年末まで更新されています。
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2025年
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2月18日:午後2時頃、高尾山北面の日影沢林道で熊らしき動物の目撃情報。真冬の目撃例で、警察(高尾署)から「付近への外出を控え、目撃時は110番通報を」といった注意喚起が発出されました。
冬眠時期にもかかわらず活動していた可能性があり、専門家からも驚きの声が上がっています。
現在この個体のその後の動向は不明ですが、付近では伐採作業が行われており人間の活動に刺激されて姿を見せた可能性も指摘されています。
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いずれも人的被害は発生していませんが、こうした具体的事例を踏まえた上で入山計画を立てることが求められます。
日時 | 時間帯/季節 | 場所 | 内容 | 備考 |
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2022‑05‑18 | ― | 八王子市 大洞山付近(南高尾) | センサーカメラがツキノワグマを撮影 | 南高尾エリアでの出没例 |
2022‑06‑02 | 05:30頃 | 蛇滝口(裏高尾 登山道入口) | 成獣 1頭 目撃 | 裏高尾での初期目撃事例 |
2022‑06‑03 | 早朝〜朝 | 景信山〜小下沢 | 成獣 1頭 連続撮影 | 裏高尾→奥高尾へ移動 |
2022‑06‑28 | 05:40頃 | 高尾林道付近(高尾山中腹) | 成獣 1頭 目撃 | 林道での珍しい例 |
2022‑07‑11 | 07:59 | 滝ノ沢林道(高尾山北面) | 成獣 1頭 撮影 | 北面林道で継続出没 |
2022‑08中旬 | ― | 和田峠(醍醐林道) | 熊 1頭 捕獲 | 前年から同地で目撃続出 |
2023‑07 | ― | 和田峠(醍醐林道沿い) | 熊 1頭 捕獲 | 前年と同じエリア |
2023年夏〜秋 | ― | 北高尾・裏高尾一帯 | 目撃・痕跡 18件(10月末時点) | 小下沢・北高尾山稜で写真多数 |
2023‑10‑07 | 08:30頃 | 倉骨沢付近(上恩方町) | 子熊 1頭 目撃 | 親熊同伴の可能性 |
2023‑10 | ― | 町田市境付近 山中 | 熊 目撃 | 市街地近くで確認 |
2023‑12‑07 | 夕方 | 八王子市 清川町(浅川沿い) | 黒い熊状の影を確認 | 警察・行政が即時対応 |
2024年春〜夏 | ― | 裏高尾〜景信山・小仏峠 | 目撃・痕跡が大幅増加 | センサーカメラ映像多数 |
2024‑09‑30 | 10:30頃 | 自然研究路6号路(妙音橋) | 成獣 1頭 目撃 | 登山道上での遭遇例 |
2024年10月中旬〜下旬 | ― | 裏高尾〜景信山・草戸山 | 複数回 目撃 | 木の実不作で行動範囲拡大 |
2024‑12‑18 | 08:50頃 | 高尾山 山頂付近 | 成獣 1頭 目撃 | 冬眠直前でも活動 |
2025‑02‑18 | 14:00頃 | 日影沢林道(高尾山北面) | 熊らしき動物 目撃 | 真冬の出没、警察が注意喚起 |
目撃情報と遭遇リスク

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高尾山周辺では直近3年間において熊による人的被害は報告されていませんが、目撃することそのものが思わぬ危険をはらんでいます。
例えば、2024年10月には、草戸山の麓近くまで大きな熊が下りてきて、登山道で登山者とすれ違う危険があると報告されました。
一方で熊は驚いた際や子連れの場合に防衛本能を発動し、攻撃行動をとることがあります。
このため、目撃情報を事前に把握していないと、遭遇後の行動選択が難しくなる可能性があります。
なお早朝や夕暮れは熊の活動が活発化する時間帯なので、できるだけ日中の入山を心がけるとリスクを減らせます。
また、東京都環境局「TOKYOくまっぷ」などで最新の出没マップを確認し、目撃エリア付近では鈴やラジオを活用して人の存在を知らせることが大切です。
こうした対策を講じておくことで、不意の遭遇に備えた安全性を高められます。
出没エリア別の傾向

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高尾山域では裏高尾~奥高尾エリアの出没報告が最も多く、特に小下沢や蛇滝口周辺でのセンサーカメラ記録が目立ちます。
深い落葉広葉樹林とドングリなどの豊富な餌場が熊を引き寄せているからです。
次いで北高尾山稜では大平林道や滝ノ沢林道沿いでの目撃が増えており、谷筋から尾根へ移動する行動ルートが推測されています。
さらに小仏峠周辺では登山者の休憩所付近に痕跡が残される例があり、木の実の不作年には里山近くまで降りてくることもあります。
一方、南高尾の草戸山や城山湖エリアでは報告数は少ないものの、住宅街に近い低山帯での目撃は見逃せません。
市街地にほど近い浅川河川敷での報告例もあり、川伝いに移動してくる可能性もあるため注意が必要です。
このようにエリアごとに出没傾向が異なるため、登山前に地図と最新情報を照合し、危険度に応じたルート設定を行うことをおすすめします。
冬眠期前後の活動動向

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高尾山の熊は一般に11月下旬から12月頃に冬眠に入り、3月下旬~4月頃に目覚める傾向があります。
冬眠直前の10月~11月は餌を集めるために活動範囲が山奥から里山近くまで拡大し、特にドングリ不作だった2024年秋には高尾~裏高尾エリアで目撃情報が急増しました。
前述の通り、冬眠期になると出没数は減りますが、暖冬やエサ不足の年には穴を移動したり、雪のない暖かい日に外に出る個体もいるため油断は禁物です。
2025年2月中旬には日影沢林道で真冬にもかかわらず熊らしき足取りが確認され、専門家からも驚きの声が上がりました。
こうした事例から、冬だから絶対に安全とは言い切れず、冬眠期前後は特に最新情報の確認と音を出す対策が重要になります。
市街地近くの出没注意

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高尾山の麓にあたる市街地沿いでも、まれにクマが出没する事例が報告されています。
例えば2023年12月7日には八王子市清川町の浅川河川敷で「熊らしき動物」が確認され、防災行政無線や緊急メールで注意喚起が行われました。
浅川や南浅川などの河川沿いはクマが移動しやすいルートとなるため、住宅街に近い場所でも安心できないのが現状です。
一方で市街地周辺は街灯が少なく視界が悪い時間帯もあるため、夜間や早朝の散策は特に危険です。
このため川沿いの遊歩道や河川敷に立ち入る際は、誰かと同行して音を立てながら歩くようにしてください。
また、万一目撃した場合は距離を確保してすぐに警察(110番)へ通報し、自身で近づかないことが重要です。
行政や警察からの最新情報をこまめにチェックし、安全確保に努めましょう。
高尾山の熊:事故・被害と対策
- 過去の事故・被害事例
- 遭遇を防ぐ基本的対策
- 登山者向け安全対策
- 行政の取り組みと通報方法
- 熊撃退スプレーなど装備の活用法
過去の事故・被害事例

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前述の通り、高尾山エリア自体では直近3年間に人身被害は報告されていません。
しかし、全国的には熊による被害が増加傾向にあり、環境省の統計によると2023年4月から10月末までで180人が熊に襲われるなど、過去最多を更新しました。
隣接する奥多摩や檜原村でも登山者が威嚇されたり、近隣農家の作物が荒らされた事例が複数あります。
ただし、高尾山そのものでは命にかかわる事故は起きていないものの、遭遇時にパニックになれば思わぬ怪我につながるおそれがあります。
実際に2022年には熊の威嚇を受けた登山者が転倒して骨折した例も報告されています。
したがって、出発前には最新の目撃情報や注意喚起を確認し、鈴やラジオを携行するとともに、万が一の際に備えて行動計画を立てておくことをおすすめします。
遭遇を防ぐ基本的対策

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遭遇を防ぐには、出発前の情報収集と音による予防が欠かせません。
なぜなら、ツキノワグマは人の気配に敏感で、驚くと攻撃的になることがあるからです。
まず東京都環境局の「TOKYOくまっぷ」や高尾山ビジターセンターで最新の目撃地点を確認しましょう。
さらに、登山中は熊鈴や携帯ラジオを携行し、断続的に音を発して人がいることを知らせるのが効果的です。
例えば人通りの少ない裏高尾6号路では、鈴の音が聞こえる範囲に熊が近づきにくくなるという報告もあります。
また、朝夕の薄暗い時間帯は活動が活発化するため、入山は日中に限定すると安心です。
これらの対策を組み合わせることで、ヒトとクマがお互いに気づきやすい環境を作り、思わぬ遭遇を未然に防げます。
登山者向け安全対策
登山者向けには、グループ行動と装備の準備が安全性を大きく高めます。
というのも、複数人で歩くと音量や視認性が向上し、熊が遠ざかりやすくなるためです。
まずはできるだけ仲間を誘って登山し、休憩時にも固まって行動しましょう。
次に必携アイテムとして熊撃退スプレーがあります。
射程約5mの範囲で効果を発揮するため、万一接近された際には冷静に構えて噴射できるよう、事前に使い方を確認しておくことが大切です。
さらに、行動食の包装ゴミは登山中に放置せず、必ず持ち帰ります。
実際に散乱した食べ物の臭いがクマを引き寄せ、遭遇リスクを高めた事例も報告されているからです。
これらを踏まえ、地図とコンパスやスマホの地図アプリを併用しつつ、安全装備を正しく使用することで、より安心して高尾山を楽しめるようになります。
行政の取り組みと通報方法

TOKYOくまっぷ
高尾山周辺では八王子市や都環境局が連携して熊出没情報の共有と拡散に注力しています。
市は防災行政無線や緊急メールで目撃情報を配信し、山麓の自治会や登山口には「熊出没注意」の看板を設置しています。
また都環境局が運営する「TOKYOくまっぷ」では、目撃地点・日時・個体数などが地図上で随時更新され、スマホからでも確認可能です。
これにより市民や登山者はリアルタイムで危険エリアを把握でき、安全対策に役立てることができます。
目撃情報を発見した場合は、まず警察(110番)へ通報し、その後八王子市役所の獣害対策課(市役所代表番号またはホームページの専用フォーム)にも連絡してください。
通報時には「日時」「具体的な場所(登山道名や周辺施設)」「熊の様子(成獣か子連れかなど)」を伝えると、行政側が迅速かつ的確に対応できます。
こうした双方向の情報共有体制があるため、遭遇時にも素早く支援を受けられるのが特徴です。
熊撃退スプレーなど装備の活用法

イメージ・THE Roots
登山時には熊撃退スプレーを含む複数の装備で万全を期すことが重要です。
というのも、熊撃退スプレーは約5メートル先まで届く刺激剤で、接近された際に使用すると熊を一時的に退かせる効果が期待できるからです。
事前に使い方を練習しておけば、いざというときに慌てずに安全な距離を確保できます。
出発前に車内や自宅の庭で噴射テストを行い、風向きや噴射時間の感覚をつかんでおくと安心です。
それから登山中は携行ケースやベルトホルダーにセットし、すぐに取り出せる場所へ装着します。
また、熊鈴や携帯ラジオを併用して音の存在感を高めると、熊が近づく前に気づいて回避しやすくなります。
こうした多重の備えを講じることで、万一の遭遇でも自分と仲間の安全を守ることができます。
高尾山でも熊は出る⁉:まとめ
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高尾山では表登山道よりも裏高尾・奥高尾で熊の目撃が多い
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熊の生息地は落葉広葉樹林が中心で、ドングリなどの餌が豊富
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観光客の多いケーブルカー周辺では熊との遭遇リスクは低い
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6号路や蛇滝口など静かな支線では鈴やラジオが有効
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過去3年間で高尾山周辺において複数の熊出没が記録されている
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センサーカメラや登山者の写真で複数の熊の姿が確認されている
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2023年には市街地(清川町)近くでも熊らしき影が目撃されている
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熊は冬眠前(10~11月)に活動が活発化し出没件数が増える
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暖冬や餌不足の年は冬季でも熊が出没する可能性がある
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高尾山北面や小仏峠、北高尾山稜での痕跡・目撃が特に多い
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草戸山など南高尾の低山でも目撃されており油断できない
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熊に遭遇した場合は走らず静かに後退するのが基本
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高尾山の登山ではグループ行動と熊撃退スプレーの携行が推奨される
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東京都「TOKYOくまっぷ」で最新の出没情報を確認できる
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目撃時は警察110番と八王子市役所へ通報することで対応が迅速化する